フランスの液体ミルク　〜ミルク？母乳？個人的な選択〜

 

江崎グリコが3月11日に日本初の液体ミルクを発売し、ママたちのツイッターがにぎわっている。

ツイッターをしていなかったら知らなかっただろう液体ミルクとその周辺のこと。

もう家に赤ちゃんはいないけど、すごく便利そう！と思いました。日本では地震の心配もあるので常温ストックできるし万が一のことを考えてもかなり安心。

しかし。

紙パックでストローなので、これだけでは新生児には飲ませられず結局哺乳瓶を用意しないといけないのでそこまで便利ではないとの意見が多い。

確かに、哺乳瓶消毒の問題があるから被災地で水などの衛生問題を考えると改善が必要な気がします。

ともあれ新生児から飲める液体ミルクというものは世界では普及しているようで、フランスでも30%は液体ミルクとのこと。

こちらではどういうものがあるのか調べてみました。

 

【フランスの液体ミルク】

 

 

 

 

 

 

粉ミルクや離乳食の老舗ブランドGuigozでも販売していました。

ミニ哺乳瓶型70ml×6本で9ユーロ弱。産院と同じ！と書いてあるので出産後すぐ完ミ（完全ミルク）が決まっている人が病院で使っているのだと思います。

グリコのアイクレオは125ml×12本で2500円なのでお値段はフランスより割安だけど、フランスの液体ミルクの方が親切に見えます。

老舗Galliaも

やはりミニ哺乳瓶という形態ですぐ使えるのが良さそう。

 

 

【母乳は赤ちゃんにとって最良の栄養です】

と江崎グリコのアイクレオのパックにもわざわざ書いてあり、母乳信仰がつらいなどと感じるママもいるよう。

でも実は法律で記載しなければいけないという場合もあることが分かりました。

少なくともフランスではそうなのです。メーカーが新生児〜生後6ヶ月までの赤ちゃん向けミルクに関して発信することを規制されています。

世界保健機関で推奨されている「生後6ヶ月まで母乳」を支持しなければいけない法律があり、新生児〜生後6ヶ月までのミルクの発信・宣伝をするのが禁止されています。

Guigozも、もう一つの大手メーカーGalliaも、サイトで最初にお断りメッセージとして

「世界保健機関によると生後6ヶ月までは母乳が最適と言われています。母乳が新生児にとって最良であることを私たちは認識し、生後6ヶ月までは母乳育児を推奨しています。規制と法律の観点からも生後6ヶ月までのミルク製品について私たちからは発信することができません。情報やサポートが必要な場合はかかりつけ医または薬局で情報を求めてください。」

と断ってありました！

 

 

 

 

 

 

 

 

こんなのはフランスで初めて見たので驚きました。

 

 

 

【母乳推奨がつらいと言うママは日本にもフランスにもいる】

液体ミルクから話が逸れてしまうのですが、母乳推奨がつらいと言う意見も多いですよね。

科学的事実として〈母乳の成分は再現ができないがゆえ貴重〉であることは否定できないと思いますがそれをどう捉えるかに個人差があるだけだと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

✴︎左から牛乳、母乳、ミルクの成分表です。ほとんど変わりないですね。

母乳は「赤ちゃんの成長に合わせて成分がオーダーメイドされるのでちょっと他では真似できない」という事実はあるけれど、母乳が勝ちでミルクは負けではないのです。

個人が経験したことや気持ちなどが解消または昇華されていないと敏感になってしまう人もいるのだと思います。

本人にしか分からない色々があるので母乳かミルクかは本当に個人的な選択。

私は母乳育児しかしなかったのですがそれを偉いとも思っていないし成り行きに任せたらこうなったという感じにすぎません。母乳育児によって胸はあきらかに変化してしまいガッカリしています。母乳育児ができてよかったなと思いますが、ミルク育児もできたのならこの胸を少しは救えたのになと思ったり。

フランスでは女性であることが第一と考える人がすごくすごく多いので、母乳育児なんて最初からNGというママがたくさんいて、授乳することに抵抗があるとはっきり言うママも本当に多いのです。

私も今の自分の胸を見ればとても納得しますが、母乳であろうとミルクであろうとやっぱり個人の選択。誰も立ち入る余地はないのです。

なのでミルクの人も母乳に対して特に何も思わないでおくれよ、仲良くやろう。と私は思います。

 

 

 

【最近は母乳育児推しのフランス】

最近はフランスでも母乳育児再確認のような風潮になりつつあり、先述の大手メーカーサイトでも母乳育児をサポートするレクチャーなどやっていて私はとても驚いています。

長女を産んだ6年前はこんなんじゃなかった…時代の変化を感じます。

液体ミルクを調べたら思わぬ驚きに出会い、これを書きながらびっくりしています。

 

さてこの先どこにむかうのでしょうか。

いずれにせよ、日本でもフランスでも、ママがますます生きやすい社会になっていきますように。

 

液体ミルクを実際に使ってみた方がいたらぜひ感想を教えてください！