フランスでママン〜フランスの母乳方針①〜
母乳育児には本当に様々な方針がありますよね。日本とフランスでは国も文化も違うのだから当然のことですが、母乳育児に関しても全然違うんだなあと身をもって体験しました。
とはいえ、あくまでもフランスの私が暮らしている南西地方、Arcachonでの産院でのことです。フランス全般にはあてはまらないかもしれません。体験談の一つとして参考までにお読みください。
おっぱいの飲ませ方
助産師ロレンスさんも、産院も共通していたポイントは『一つのおっぱいを最後まで(赤ちゃんがもういいと口を離すまで)飲ませる』という点でした。そしてまだ飲み足りなそうだったらもう片方にとりかかる。後からとりかかった方は最後まで飲めないかもしれないから、次の授乳はそのおっぱいから再開する。
日本では、『両方を交互に5分ぐらいずつ飲ませる』という方法が目立っている印象を受けました。おっぱいに飲み残しがあると溜まってよくないから授乳後必ず搾乳とか。フランスではそのように指導されることはありませんでした。
搾乳について
日本では搾乳が必須のようなので、搾乳器は出産前に準備しておかなければと私も思っていました。目星もつけて購入する気満々でした。ちなみにメデラ社の搾乳器です。
しかし、臨月のコンサルテーションでロレンスさんから言われたことは
①搾乳が必要かどうかは母乳を実際始めてみないと分からないものだから、今から用意する必要はない。
②そもそも搾乳が必要な場合というのは、母乳が過剰に生産されるママのためであって、通常は赤ちゃんの必要な分量しか生産されないようになっている。
③赤ちゃんが吸うことによって生産される量が決まってくるので、搾乳すると、その分もっと母乳の生産がされてしまう。
④必要なら薬局で無料でレンタルできるので、わざわざ購入する必要などない。
ということでした!
そういうものかと思い、搾乳器は用意しないで母乳育児をスタートさせ、まだ必要ないまま今に至っています。
もちろん、フランスでもケースバイケースで、授乳ができない時や仕事復帰のため搾乳する方々もたくさんいます。ロレンスさんは私が働く予定がないのを知っていたのでこういうアドバイスをしてくれました。
あるフランスのママサイトでは、『母乳では出の始まりよりも最後の方が脂肪分も多く栄養価の高い母乳なので、飲み残しがあれば搾乳して与えても良い』と書かれていました。
まだ母乳育児歴1ヶ月のため、私もいつ搾乳をするようになるか分かりません。メデラを使う日が来るかもしれません。
当面様子を見てみようと思います。
母乳中の食事について
日本では、乳腺炎やおっぱいの詰まりは絶対予防しなければ!という傾向があると思います。『乳製品や高脂肪の食べ物は控えましょう』『和食中心の食事を心がけて』ということもよく言われていますよね。
しかし、フランスでは食事で制限される物は一つもありません。病院でも入院中、ヨーグルトやバターが毎日出てくるし、大晦日の特別ディナーなんかではチョコレート菓子、クリームたっぷりケーキやフォアグラ、チーズが出て驚きました。乳腺炎の予備知識を持っていた私は若干びびっていましたが、出されるまま食べちゃいました。ちょうど成乳が分泌される産後2日目の夜は、おっぱいがすごく張って痛かったのでひやりとしましたが、赤ちゃんにひたすら吸ってもらって乗り切ることができました。
退院後、ロレンスさんに確認してみたら『好きな物を好きなだけ食べてください!偏りなく全ての物を食べてくださいね』と言われました。乳製品とかおっぱいには良くないと日本では言われているんですけど、と訊くと、『普段から食生活の中で食べ慣れているなら大丈夫。普段食べない人がいきなり過剰に摂るとトラブルになることもある』そうです。
郷に入れば郷に従え、ということで、私は好きな物を好きなだけ食べています。今のところはおっぱいも詰まったりしていないのですが、やっぱりバランスの良い食事を心がけています。野菜もたくさん摂るようにしたり。あと、とにかく私は水をよく飲んでいます。毎日2L以上飲んでいると思います。
もちろん乳腺炎などは食事内容だけでなく複数の要因で起こるものではありますし、油断しているといつおっぱいトラブルが起こるか分かりませんよね。ただ、むやみに恐れたり神経質になったりはしないようにしようと思ってゆったりやることにしました。
こうして改めて自分の体験を振り返ってみたり少し調べたりしてみると、母乳育児には正解はないのかもしれないなあ〜と感じました。ママと赤ちゃんが二人三脚で見つけていくしかないですね。