日仏ハーフの子供の日本語教育について

日仏バイリンガル

娘2人が日仏バイリンガルになるのを目指してはいるのですが、なかなか難しいと感じているのが正直なところです。

長女が2歳の頃の日仏バイリンガルの記録を書いた頃は意識して実践していたのですがいつのまにか家庭内ではほぼフランス語で会話しているというのが現在の状況。

なぜフランス語で会話するのか?

なぜ日本人である私までフランス語で会話するのでしょうか?これは自分でもよくわかっていなかったのですがきちんと自分に問いかけてみたら「娘にきちんと話せるようになってほしいから」という理由がすぐ出てきました。

フランス語が話せなかった頃の私は自分を守れなくて悲しい悔しい思いをしてきました。フランス人はみんな自分の意見をはっきり話すことが上手です。口下手な私はまだまだ太刀打ちできませんが、それでもフランス語がきちんと話せることが見下されない(笑)ためには必須条件だと思っています。

そんな自分の体験から、娘が初めて保育園・幼稚園という社会に出た時、自分のことをきちんと言葉で表現できるようになっていてほしいと切実に思ったのです。このフランスという国で娘が自分で自分を守れるようにと思ったのでした。

では私が娘と日本語でしか会話していなかったらどうだったのでしょうか?自分を守れない?そんなことはないと思います。でも、保育園や幼稚園ではフランス語なので混乱が生じてフランス語の遅れがあったかもしれません。

娘が1歳4ヶ月までは私は100%日本語で話しかけていましたが、保育園を意識した時フランス語の基本を!とフランス語で話すようにしました。

ママのフランス語上達のために家庭内はフランス語のみに

フランス語で会話するもう一つの理由は私のフランス語上達のためです。夫とは出会ってからずっと英語で話していたのですが、フランスに来てなかなか外に出なかった私はフランス語を練習する場所がありませんでした。辞書を使っての勉強は毎日していたのですが、いつまでたっても話すのが苦手でした。長女が生まれてからも家にずっといて長女とは日本語で話していたので、ますますフランス語は上達できません。そんな時南仏の義父の所に引っ越すことになり、以降義父とも夫ともフランス語のみで会話する毎日に。最初は英語でコミュニケーションを取っていた夫との、新しいフランス語での関係に違和感を感じてとても抵抗がありました。フランス語を話す自分も嫌でした。が、だんだんフランス語を話すことが苦痛ではなくなっていきました。フランス語が上達できたのは義父のおかげだと心から思っています。南仏で長女は保育園デビューしたので、その頃は私も娘が困らないようにとフランス語で話していました。

長女はフランス語の文法も発音も本当に早い頃からきちんとできていたので安心でしたが、3歳になって通い始めた幼稚園では全く言葉を話さなかった時期があったので、それはそれで心配でした。それ以外でも幼稚園で色々何かが起こるたびにどうしたら娘を守ってあげられるのか考え、私が日本語を捨てていいじゃないか、ちゃんとフランス語で話そう、と強く思ったのでした。娘にとって日本人の母を持つことがハンデにならないようにという思いがありました。ある意味すごく哀しくハンデ?なんて大げさかもしれないのですが、私が肌で感じたことです。娘が学校で恥ずかしい思いをしないように私もちゃんとフランス語で話せなくてはという思いがあります。

私のフランス語も一応もう大丈夫というレベルになって娘も学校に楽しそうに行くようになってからは少しずつ日本語を意識して話すようにしています。次女が生まれてからは次女には日本語をたくさん浴びさせるぞと日本語で話しかけていました。そのうちやっぱりフランス語主流になってしまいましたが、フランス語で話した後日本語で繰り返すことなどを意識してやっています。

日本語教育としてやっていること

〈日本語教室〉

日仏バイリンガル

長女が4歳になる少し前から日本語教室という場に参加させていただいています。この日本語教室はVannesという街周辺で出会った日仏ファミリーの皆さんと設けた会で、手探りながらもママたちが頑張って月に2回開催しています。今年は2年目で、色々な葛藤もありましたが基本は「子供達が日本語を話す日本人の友達に属しているんだという気持ちになってくれたら」という願いで続けています。現在4家族で構成しています。

簡単な内容は

  • あいさつ
  • ひらがなの読み書き
  • 日本語の歌
  • 日本語の絵本読み聞かせ
  • 季節にちなんだ工作

とよく考えられたプログラムになっています。

Paris、NantesやRennesなどの都市にあるような日本語の補習校などとは程遠いのですが、何もしないよりは!とありがたく参加しています。やっぱり所属感を身につけられたらいいですよね。

我が家の娘は日本語がやっぱり一番できないので大丈夫かなという気持ちになってしまう自分がいて…他のお子さんは本当にみんな日本語が上手なのです。やっぱりママが家でちゃんと100%日本語でお話ししている努力のたまものなのだと思います。

そんな娘も最近ひらがなに興味を持ち始めた!見よう見まねで書いてみているのでそれだけでとても嬉しいです。

〈絵本の読み聞かせ〉


でも、そんな私でさえも絵本は日本語の絵本を読むようにしています。できるだけたくさん。自分の小さい頃してもらったことをしてあげたいという気持ちだけのことですが。お母さんにたくさんの絵本を読んでもらったなあ。そしてそれは大人になっても私の中で生き続けている。娘たちの中に楽しい絵本の思い出を植えられたら幸せです。日本語教室のママさんも絵本を大事にしている方ばかりなので嬉しいです。

実家の母から毎回絵本を送ってもらっていて助かっています。でもまだまだたくさん欲しいな。

〈フランス語→日本語 の話し方〉

教師をしている友人からのアドバイスだったのですが、幼少期はものすごい数の言葉を覚える能力があるためこのチャンスを逃さずできる限り日本語を話した方がいいよとのこと。まずフランス語で例えば「Viens」と言ったら直後に「来なさい」と日本語で言う。このパターンをできる限りやってみたら二か国語話せるようになるからと言ってくれたのです。この人が言うと本当にそうなりそうと思ったので実践していますよ。

毎会話がこのパターンだと親子共々疲れちゃうから一日10単語ぐらいでもいい。日本語に疲れたら元も子もないのでできるだけでいいとのこと。

これは意識しています。

アイデンティティーの問題


フランスで暮らす限り、娘たちにとってはフランス語が第一言語(母語)でありアイデンティティであると思っていますので、それに逆らわないことにしました。日本語を第一言語にすることはいくら私がバイリンガル教育を意識しても無理だと思っています。あきらめというか、仕方ないことだと思っています。

娘達は日本人の血も繋いでいるのだから日本語、日本食、文化を大事にして日本人であることも誇りに生きてほしいと私は思っているのですが、フランスで時間を過ごす限り日本語や日本人であることは押されがちです。5歳になる長女は「ママは日本人だけど自分は違う」と思っている。自分の娘と日本語で会話できず、ましてやこのブログも彼女は一生読むことはないんだと思うと寂しいですが、ここでジタバタしても親子共々ストレスになるだけだとわかっています。なのでできることだけをしています。

そもそも私自身日本人であることを毎日すごく意識して生きているわけではなく、むしろ小さい頃オーストラリアで暮らした経験や日本で生きていても自分の居場所ではないというような気持ちになることも多かったので、ふわふわしています。ある意味日本以外の国でも生きれるタイプなのです。日本食は恋しいですが無くても全然生きれるのです。家でも和食を必ず作るぞという感覚がないので、簡単で美味しく体にいいものであればと言う感じなので、日本食を娘たちに伝えていくという姿勢があまりないのですね。

子供達が思春期になった頃自分たちのことをどう把握するのでしょうか。自分が所属する国の人間としての自信が大事だそうです。

子供達に何を伝えていくのか

子供達に伝えていくこと

日本食に限らず、結局「母の味」みたいな見えないものが子供達に伝わっていくのですよね。うちの場合、例えば具合が悪い時の煮麺とか記憶に残るのかなと思っています。最近は日本食も頻繁に作っているので、いつか私の作るごはんを娘たちが懐かしいと思ってくれたらこっちのもの。

子供達に伝わるものは、究極、親の1人の人間としての在り方ですね。言語、文化、アイデンティティーを超えた【生き方】が伝わっていくのだと思います。

私はフランスという国で自分がどう感じながら生きているかを子供にも見せていることになりますが、それもこういう人間としての在り方だというだけのこと。不完全で見栄っ張りで傷つきやすい人間ですがそれでも仕方ない。

親としては生き方に嘘はつけないので、日本語も日本食も〇〇しなければ子供達に伝えられないという不安からではなく、親である私自身がどうしたいかなのだとつくづく思いました。

今回の記事を書くにあたって今まで見ないようにしていた自分の日本語教育・日本語伝承についての気持ちと対峙するきっかけになりました。自分の中でもうまく整理されていなかったことを見直しました。でも私なんかにも信念みたいなものがあったんだ!と分かったら、日本語をきちんと教えてこなかった自分自身に対するイラつきや悲しみ、後悔みたいな感情がスーッと去っていきました。子供達の日本語教育はまだ手遅れじゃないぞ、と明るい気持ちになりました。

このテーマをリクエストしてくださったTomomiさんに感謝です。

お互いフランスという国で子供達が自信を持って生きていけるように見守っていきましょう。

2 Comments
  1. Tomomi
    • Nagisa Keller

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