長女がお姉ちゃんになった日 〜二人目産後の様子〜

二人目の産後の生活はどんなものになるかドキドキでした。一番の気がかりは、ズバリお姉ちゃんになる長女のメンタル面
生まれてから両親と自分の3人だけの環境で暮らしてきた所にある日突然、赤ちゃんがやってくる。世界崩壊のような体験を味わうわけです。
でも、きょうだいを持つ人は誰もが通る道。このような体験を通して成長していく。

自分だって、そうだったじゃないか。きょうだいがいて悪いことはあまり覚えていない。きょうだいがいて、いいことだったと思える。
フランス語でよく言う「C’est comme ça」

頭ではわかっていても…
お姉ちゃんになることを強制はしたくない。私たち夫婦は長女の心を傷つけるのが怖くて、どうすれば妹を迎え入れるインパクトを少なくできるとよく話をしていたほどでした。
私たちはやさしく理解のある親を目指そうとしていますが、意気地なしでもあります。

これを書いている今…二人の子供の親になり5ヶ月が経った今、当時の自分たちを振り返ってみると、ある意味私たちは長女のことを信じていなかったんだと思いました。赤ちゃんが来てきっと傷ついちゃう、きっと心が痛い経験になっちゃう…etcと、彼女の限界を勝手に決めていたと思います。
今思うと、すべて大丈夫だから娘のことを信じてあげてとアドバイスしてあげたいものです。

というわけで、産後直後の様子を振り返りながら、5ヶ月前の私たちが聞きたかったことを書きたいと思います。

 

 

【実際の様子】

産後すぐの生活が物理的にどうなるか少しは想像つくものの、未知の世界でした。
赤ちゃんとの生活自体は、一度経験しているので大丈夫だろうと余裕がありましたが、
二人の子供との暮らしが出産後待ったなしですぐ始まるのです。

実際、産後2週間は結構てんやわんやで笑いあり涙ありでした。

未だに家族全員同じ寝室ということもあり、夜中の授乳・オムツ替えの場所はどうするかなど事前にクリアにしておきました。

事前に準備しておいてよかったのはこのぐらい。あとは本当に日々やってみて知るという感じでした。

長女が使っていたベビーベッドも赤ちゃんに貸したくないと言ったりしたので、寝る場所も最初は手探りでした。そのうち、やっぱり赤ちゃん用のベッドはあなたには小さ過ぎるからこっちの大きい大人のベッドの方が居心地いいよとすすめたら、分かってくれて嬉しかったです(泣)

やっぱり実の家族に助けに来てもらうといい

産後すぐの家事全般は、来仏した妹に手伝ってもらってとても助かりました。やっぱり手伝いがあるのとないのでは精神的にも負担が全然違うのだと思います。

メンタル的にも非常に細やかな心遣いと神経でスタートしたいと思っていたので、新しい家族の始まりを一緒に迎えるのが自分の妹でよかったです。

産後の疲労・ホルモンの影響などもあり、ブルーでサバイバルモードだった私を、私のままでいさせてくれた妹や夫に感謝。その点手伝いに来てくれたのが義理の両親だったら大変だったと思います。

出産直前まで、二人目の産後の様子がどんなものか何度も色々な状況を想像しては手に汗がじわーっと出てきたり。本当に先のことは誰にも分からないからこそ、怖いし不安です。育児に限らず人生そうですよね。
結果、準備していたよかったこともあったけれど、実際やりながら見えてくるという感じでした。

 

【赤ちゃん返り】

長女の赤ちゃん返りは出産前からありました。サインとしては

  • おっぱいを飲んでいたよねと思い出話をし出し、おっぱいを触ったり実際飲みたいなと時々言う。
  • 赤ちゃん用のおしゃぶりをどこからか取り出して、吸い出した(おしゃぶりは一度も使ったことがなかったのに)。
  • オムツに戻る時期があった/失敗することが増えた。
  • 寝起き時にママがいないと大泣きする。眠る時ママがいないと眠らない。
  • 着替えや用を足す時・食事時、手伝って!と言う。

などなどです。

おっぱいについてはまだ私のお腹が大きくなる前からでした。不思議なものだと思っていました。
おしゃぶりは小さい頃一度も使わずにここまで来たのにいきなり吸い出して、正直戸惑いました。
下三段の項目は次女が生まれてから。

長女が3歳になったばかりで話しができる年齢だったので、いろいろな気持ちを言葉で表現してきました。
直球で「赤ちゃんいらない」「私にはママがいない」「赤ちゃんのママはどこにいるの?」などと、ママのハートにグサグサ刺さることを言ってきました。
最初の一週間ぐらいがピークでしたね…
ママ側も、そういうことを言わせてしまい申し訳ない。切ない。泣いた日もありました。早期退院をしたため本当の本当に出産直後で、体の痛みや睡眠不足やら次女の授乳リズムも整わないうちだったので、体力的にもほとほと参ってしまう時がありました。

これらの赤ちゃん返りは、だいたい1ヶ月ぐらいありました。

こういう赤ちゃん返りの状態の時、困らせて嫌なことばかりしてくる一人目がかわいくないと感じてしまう親もいるようですが、幸い私から見える長女のかわいさは健在です。
ただ、長女に「で、でかい!」と違和感を持ったことが何回かありました。小柄で抱き上げるのも苦じゃないぐらいの子なんですけどね。頭も手足も大きい!とギョッとすると言ったら失礼だけど…なんとも言い表せない哀愁というか、あああんたも赤ちゃんだったのに大きくなっちゃったんだね、というような気持ちです。
それが度を越すとかわいくないに至るのかもなあ〜とうっすら思ったことです。

 

《解決策》

これだ!という魔法の解決策ではありません。ほぼサバイバルモードで毎日をやりこなし、その中で私たちがやってよかったなと思うことを書きます。

 

●幼稚園はしばらくお休み

1月は少し通っただけで風邪になったり水疱瘡になってしまったというのもあり、家でママと過ごしていました。
私の妹が来仏→出産→赤ちゃんとの対面→混乱と、デリケートな時期を家で過ごすことにして、よかったです。
朝もパジャマを着替えないままだったりしました。(私自身が産後でパジャマ姿だったので)
そのうち学校も2月中旬に冬休みが二週間あり、まるまる一ヶ月半は家にいたことになります。
ちょうど赤ちゃんが家にやって来てから一ヶ月後冬休みが明け、学校に再び通い出したのでした。
学校生活にはスムーズに戻って行きました。

娘にとってはこのリズムで日常を取り戻したのがよかったようです。

 

●話を聞いてあげる

長女の「赤ちゃんいらない」という思いのたけを、正面から一度受け取りました。

「〇〇ちゃんは赤ちゃんいらないと思っているんだね。分かった。言ってくれてありがとう」
「〇〇ちゃんはママとパパの一番初めの赤ちゃんだよ。誰にも変えることはできないよ。大好きだよ」と言う。

私をママにしてくれた最初の赤ちゃん。心からそう思って伝えています。
このことは出産前からずっと言っていました。

会話がし合えるという年齢なのはよかったなあと思いました。
もちろん3歳前で話せない年齢だったとしても、ママパパの言うことは分かっているでしょうし言葉に限らず気持ちは伝わるものですよね。
娘ととことん話し合いました。

 

●言葉を見つけてあげる

それでも、話し合いだけで全てが丸く収まるというわけでもなく、長女は「妹なんか嫌い」とはっきり言っていました。
これにはどう返事するのがいいのかな?と頭で考えても正しい答えは見つからず、毎日ではなくとも時々言うことだったので困っていました。
そのことをかかりつけの助産師のマリー・ピエールさんに相談したところ、とても印象に残るアドバイスをくれました。

子供は大人のように言葉でうまく自分の感情を説明できないから、大人がちょうどいい言葉を当てはめてあげるとスーッと感情が収まって消化されるのだと思います。

だから話しているうちに、ボタンを押すみたいな何かピタッとくる言葉が見つかるといいですね。

例えば「妹をどうしても好きになる義務はないのよ。パパとママはあなたのことも大好きだし、妹のことも大好きだけど。これから一緒に大きくなるうちにお互いを好きになれるといいね。」などと話してあげたら、案外それが聞きたかった言葉だったりするのですよ。

 

マリー・ピエールさんは早期退院の翌日から自宅に診察に来てくださって、その時彼女にも二人の娘がいると教えてくれました。すごく尊敬している助産師さんだったので、同じ女の子二人のママという共通点には嬉しかったのです。

子供にここまで寄り添う話し方ってなかなかできないですが、彼女はこうして自分の子供たちに向き合って来たんだなあと思い、ますます尊敬です。

長女のことを気にかけてくれて、いつも調子はどう?と聞いてくれるのもお姉さんになる子の気持ちをすごくわかっているからなのでしょう。

 

●赤ちゃん返りを思い切りさせてあげる

オムツに戻るエピソードは、大変でした。
単純に、オムツ履かせといてあげればいいじゃないと思いますよね。
最初は私たちもオムツでいいよいいよと履かせていたのですが、ある日膀胱炎のような症状を訴える娘。おしっこの匂いも強くて、病院にまで行ったほど。
熱がないから何もできないと言われ、特に治療しなかったのですが、少し炎症があったのだと思います。(その2ヶ月後に再度尿路感染症にかかり、今回は痛みと高熱あり、抗生物質の治療をしました)

なぜ炎症が起こるかは菌の問題だから、清潔にしてできるだけパンツでいてくださいと言われました。

この頃とても寒くて水分もあまり摂っていなかったのもあり、常にお水飲みなさいとガミガミ、おしっこのタイミングも一日中見張っているようで娘も親もわずらわしい思いをしました。

赤ちゃん返りなんだから怒っちゃダメとわかっていても、どうして今までできていたのに?!なんで今こんな大変な時に!?という気持ちと膀胱炎の心配で、つい叱ってしまったり。
長女を傷つけたくなかったのに、本末転倒。本当に散々です。

おしっこの問題から一旦離れて、オムツは衛生上よくないからパンツで過ごしてみよう、ぐらいの心の構えにすると徐々によくなり、おもらしもしなくなりました。
これも親の心の持ちようでいいように導くことができるんだと知ったことです。

 

●抱っこをできるだけたくさん

何と言っても抱っこに勝るものはないと思います。
二人目の産後のアドバイスでも上の子にスキンシップを!と書いてあるのをよく見ますが、本当にその通り。
ただし、心からのスキンシップでないと意味はないと思います。
長女との新しい関係を手探りしている中、頭で色々考えていることを一旦忘れて、ぎゅっと抱きしめました。実はママの私にもこのハグが必要だったんだとあたたかい気持ちになりました。
なんとわずか20秒の抱っこだけで、抗うつ作用のある神経伝達物質ホルモンが放出されるとか。なかなか20秒もぎゅっとしていないなあと思いました。

 

●ママ、パパだって初めてのことなのだから

戸惑うのは当然だから、大丈夫と言ってあげたいです。新しい家族が増え、3歳の長女が戸惑うのは当然ですが大人でもやっぱり戸惑います。いきなり二人の子供の親になるのですから。
子供に戸惑って困っている姿を見せても大丈夫だと思います。それが本当の姿なら。

出産前に色々読んだりした中で「上の子を優先に!」というアドバイスがとても多くて、そういうものなのかと思っていました。
でも、生まれたての赤ちゃんとの暮らしが始まるとなかなかそうは言ってられないのが現実で。私にとっては生まれたての赤ちゃんを少しでも放っておいて、上の子に構うのは不自然に感じました。上の子をいつも以上にいたわりつつ新生児のケアもパーフェクトとはなかなか行きません。思い描いていたママでいられない自己嫌悪。本当に色々頭で考えてはいけないのですけど、私も余裕がなかったです。

でも、それで当たり前。最初から自然体でできる人もいれば、私みたいに順応に時間がかかる人もいるでしょう。

パパもすごく真面目な人なので、葛藤があったと思います。この5ヶ月間よく話し合ってきました。二人して考えすぎな親なのですが、私はパパが一緒になって考えてくれる育児がけっこう気に入っています。これからはもっと自然体でいけたらいいです。

 

【その後の姉妹の様子】

長女側

実は今でも妹を100パーセントは受け入れていません。でもそれでいいと思います。
むしろ「この度お姉さんになったということで大好きな妹をしっかり面倒見ます」などとなったら、あやしいです。
5ヶ月の時間を経て少しずつ関係が近くなってきたなと感じ、それだけで嬉しいです。

ただ、昔自分が使っていたおもちゃを貸したくなかったり、泣いたらうるさいと言ったり、パパが(特にパパが)次女を抱っこすると私も!と困らせる…etc
そういう場面に遭遇するたび、がっかりしたりイラっとしたりしますが私が望む長女のあり方を押し付けてはいけないと我に帰ります。

子育てって常に、自分が期待する→違う→がっかり/イライラのパターンだなとやっと分かってきました。もっともっと、長女を長女のまま受け容れていきたいものです。これがなかなか難しいです。

 

次女側

次女はとても早い時期(生後1ヶ月になる前ぐらい)から長女の声や歌声にとても反応するようになりました。長女の方に顔を向けてずっと見ていました。特別のフィーリングがあるんだと気がついたのもこの頃です。

今では長女に話しかけられたり構われたりすると、とても嬉しそうな笑顔になります。最初の頃はなかなか長女が近づいてはくれなかったものの、今では少しずつ頬を撫でてあげたり優しく抱っこしたりと、スキンシップも。やっと妹として認められた!親から見ると、次女は本当に生まれてすぐから長女のファンになったんだなあと思います。

とはいえ、長女が大声で叫んだり泣きわめいたりすると次女はびっくりして泣いてしまいます。かわいそう。

 

二人姉妹の関係については色々発見があるので別の投稿で。どちらもお互いに対するまなざしが健気で愛おしいです。

5ヶ月前の意気地なしだった私たち両親を、二人の娘たちが前進させたくましくしてくれました。もちろんまだまだ道は長いです。これからも色々な試練があると思いますが、大丈夫と思える自信はついてきました。引き続き色々記録していきたいと思います。

2 Comments
  1. まさこ
    • Nagisa Keller

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